2008年5月21日水曜日

Fall; beauty of the one

新しいガンダムのTVシリーズ、ガンダムOO(ダブルオー)が終了しました。否が応でも期待が高まったのですが、公開されたモビルスーツのデザインを見るとどうもピンと来ません。ガンダムOO モビルスー
主役機であるガンダムは、系譜であるガンダムカラー、つまり青、赤、黄色と白を使った配色であったり、Vアンテナ、ちょっと弱いけど「ダム」(ふくらはぎ)を踏襲してます。しかし一方敵のモビルスーツがどうにもこうにもモビルスーツっぽくありません。ガンダムがガンダムであればいい、というのは実はガンダムのおいてはあてはまらず、ガンダムにおいて重要なのは、敵役がいかに美しく散るか、にあると思うのです。ガンダム第一話から引用すると、ガンダム第一話が最高な件その「強さの方程式」ザクがモビルスーツとしての強力さをアピールしながらも、十分に動けないガンダムによって破壊される衝撃的な話です。モビルスーツが最強の兵器であることを描きながら、ガンダムはそれを上回る力を持っていることを見せつけました。ビールサーベルで真っ二つにするところや、腹を串刺しにしてザクを葬るところは、ロボットアニメに時代劇の殺陣の静と動を持ち込んだ画期的表現方法です。そしてこのかっこよさはガンダムだけではなく、やられゆくザクの散り際の美しさにあるのです。それまでコロニー内で無敵であったザクが一瞬にしてガンダムにやられる。パワーバランスが一気に崩れる、転換する一瞬が爽快なのです。ザクに続き、青い巨星のグフとの死闘もそう、そして黒い三連星のドムのジェトストリームアッタクなども同じです。ガンダムを引き立てるには、強力なライバルとの戦いとその散り際が美しいことが必要不可欠なのです。そう考えて今回のモビルスーツデザインを見ると、どうしても残念感が拭えません。無骨すぎたり、線が細すぎたり。ガンダムの敵役は単なるやられメカではありません。それ自体で滅びの美学を演出できなければいけないのです。

0 件のコメント: